差し歯・詰め物・被せ物もホワイトニングで白くなるの?

Dr.中川の歯のはなし Vol.10

「先生、この前歯もホワイトニングをしたら白くなりますか?」

患者さんから、こう聞かれることがあります。

お口の中を見てみると、その歯には以前治療した被せ物が入っている。

こういうことがあります。

患者さんからすると、見た目は同じ「白い歯」ですから、

「一緒にホワイトニングをすれば、差し歯や被せ物も全部同じように白くなるんじゃないの?」

と思いますよね。

でも、ここには一つ大きな違いがあります。

ホワイトニングで色調を明るくしていくのは、基本的に天然の歯です。

詰め物や被せ物、差し歯など、治療で入れた人工物は、天然歯と同じようにホワイトニングで白くなるわけではありません。

今回は、差し歯・詰め物・被せ物とホワイトニングの関係について、少し詳しくお話しします。

目次

天然歯と差し歯・詰め物・被せ物は、見た目は同じ白でも中身が違います

例えば前歯を鏡で見たとき、

こちらは自分の天然歯。

隣は昔治療した被せ物。

さらにその隣には白い詰め物が入っている。

見た目だけでは、ご本人でも分かりにくいことがあります。

でも、材料はそれぞれ違います。

天然の歯と、治療で入れた人工物は、同じものではありません。

同じ白いものでも、白いシャツと白いプラスチックでは、汚れの落ち方や色の変わり方は違いますよね。

歯もそれに少し似ています。

見た目は同じように白く見えても、天然歯と人工物では、ホワイトニングをしたときの反応が違います。

ホワイトニングで天然歯は明るくなっても、被せ物の色は基本的にそのままです

例えば、前歯6本のうち5本が天然歯で、1本だけ被せ物だったとします。

ホワイトニングをして、周りの天然歯が少しずつ明るくなっていく。

でも、被せ物の色は基本的にはそのままです。

すると、それまではそれほど気にならなかった被せ物が、

「あれ?この1本だけ少し色が違って見えるな」

となることがあります。

これは、ホワイトニングがうまくいかなかったわけではありません。

周りの天然歯の色が変わったことで、人工物との色の差が分かりやすくなった、ということです。

被せ物や詰め物がある人でもホワイトニングはできる?

「では、被せ物がある人はホワイトニングできないの?」

そんなことはありません。

被せ物や詰め物があるからといって、それだけでホワイトニングができないと決まるわけではありません。

大事なのは、最初に

「どこが天然歯で、どこに人工物が入っているのか」

を確認しておくことです。

そして、

「どのくらい白くしたいのか」

「ホワイトニングをしたあとに、人工物との色の差が気になりそうか」

そこまで考えておく。

私は、その方があとで困りにくいと思っています。

ホワイトニングより先に被せ物を新しくした方がいい?

これもよく聞かれます。

「先生、それなら先にこの被せ物を白く作り直してから、ホワイトニングした方がいいですか?」

ただ、ここは少し順番を考えた方がよい場合があります。

先に被せ物の色を今の天然歯に合わせて作り直して、そのあとに天然歯をホワイトニングすると、天然歯だけが明るくなり、せっかく作った被せ物との色が合わなくなることがあるからです。

例えば、これから部屋の壁を明るい色に変えようとしているのに、その前に今の壁の色に合わせて家具の色を決めてしまうようなものです。

あとから壁の色が変われば、

「あれ、少し合わなくなったな」

となることがありますよね。

もちろん、実際の治療の順番は、その歯の状態によって変わります。

虫歯があったり、被せ物に問題があったりすれば、そちらの治療を先にした方がよいこともあります。

ですから、

「必ずこの順番です」

とは言えません。

そこは、お口の状態を見ながら考える必要があります。

白い詰め物の場合はどうでしょう?

前歯には、虫歯や欠けた部分を白い材料で修復していることがあります。

ぱっと見ただけでは、

「全部自分の歯」

に見えることもあります。

でも実際には、一つの歯の中に天然歯の部分と人工材料の部分が混ざっていることがあります。

ホワイトニングで天然歯の色調が変化しても、修復材料が同じように変化するわけではありません。

そのため、ホワイトニングをしたあとに、

「前は気にならなかった詰め物の境目が、少し分かるようになった」

ということもあります。

こういう場合も、ホワイトニング後の色を見ながら、必要であれば詰め物について考えていきます。

ホワイトニングで全部を同じ真っ白にしなくてもいいと思っています

患者さんから、

「全部まったく同じ色になりますか?」

と聞かれることがあります。

もちろん、できるだけ自然に見えるように考えることは大切です。

でも、天然の歯も、もともと全部がまったく同じ色ではありません。

犬歯が少し濃く見える方もいますし、同じ歯でも根元と先端では色の見え方が違います。

ですから私は、

「全部を一色にそろえる」

というより、

「笑ったときに自然に見えるか」

ということを大切にしたいと思っています。

歯を一本ずつ見るだけではなく、口元全体を見る。

さらに、顔全体の中でどう見えるのかを見る。

その方が自然だと思うんですね。

差し歯や治療した歯がある方ほど、ホワイトニング前の確認が大切です

ホワイトニングというと、

「薬を塗って白くする」

というイメージを持たれるかもしれません。

でも、実際のお口の中では、そんなに単純ではありません。

天然歯があって、

昔治療した詰め物があって、

被せ物が入っていて、

場合によっては虫歯や歯ぐきの状態も確認しなければならない。

人によって、本当にさまざまです。

ですから私は、まず一度お口の中を見てから考えた方がいいと思っています。

「ここは天然の歯ですね」

「ここは以前治療したところですね」

「この歯はホワイトニングをすると、少し色の差が分かりやすくなるかもしれませんね」

そんなふうに、一つずつ確認していけばいいんです。

白くすることだけではなく、差し歯や被せ物を含めて口元全体を考える

「前歯に被せ物があるけれど、ホワイトニングしてみたい」

「昔治療した詰め物の色も気になってきた」

そういう方もいらっしゃると思います。

最初からご自身で判断する必要はありません。

気になっているところがあれば、診察のときに一度見せていただければと思います。

どこまでが天然歯なのか。

どこに治療したところがあるのか。

そして、どんな口元になりたいのか。

そこを一緒に確認して、順番を考えていけばいいと思います。

白くすることだけではなく、

治療した歯も含めて、口元全体が自然に見えること。

私は、そこまで一緒に考えていきたいと思っています。

中川デンタルクリニック
理事長 中川 隆伸

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